私は現在、小学1年の長女と認可保育園2歳児クラスの長男の2人の子どもを育てながら、月曜から金曜日まで東京都内の会社で仕事をしています。
私の実家は飛行機で2時間の場所にあり、旦那の実家は車で1時間ほどですが義父はすでに他界しており、義母は高齢のため会うのは年に数回ほど。
そのため私たち夫婦のみで子ども2人を育てています。
子どもたちが保育園に通っていることもあり私の周りには、共働き家庭が多くいます。私たち夫婦も含め、共働きは大変ですが、大変なりに乗り切り方があるなと感じています。
目次
共働きは無理ゲーなのか?
共働きが大変な理由は大きく2つだと思います。
- 子どもの突発的な熱や体調不良で仕事を休まざるを得ない
- 朝の準備や、帰宅後の家事などで自分の時間がない
つまり「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」ですね。むしろ、楽にならないばかりか、どんどん苦しくなる。
子どもの突発的な熱や体調不良で仕事を休まざるを得ない
こういう話はおそらく、出産前に先輩ママや友人などから色々と聞かされていたとは思うんです。
でも、実際に自分が仕事復帰して「さて、早く以前と同じように仕事を頑張りたい」と思っても、子どもがいなかった時代の働き方では、全く通用しないのです。
何が通用しないか?というと、出産前は与えられた仕事が30分遅く終わろうが大した問題では無かったと思うんです。退社時刻が17時になろうが、17時半になろうが大差なかったわけです。
しかし、出産後は子どもは保育園に預けているわけですから、毎日お迎えに行くことになります。保育園は延長保育もありますが、延長保育を利用するためには追加料金が必要になります。そのため多くのママは退社時刻と同時にダッシュで会社を出て、急いで電車に乗り込み保育園に直行します。私も何度も保育園まで走りました。
普段のお迎えですら時間に余裕がないのですが、そこに急な発熱による呼び出しや、休みとなると、さらに仕事が溜まって、子どもの風邪が治ってからは、会社の昼休みも休まずPCの前で作業したり、出社を1時間早めて8時出社せざるを得ないこともありました。
子どもが風邪をひいたときの休みって、休みじゃないんですよね。
朝から子どもを抱え病院に連れて行ったり、高熱で何度も起きてしまうときには常に近くにいてあげなきゃいけないし、子どもがまだ1歳なら1中抱っこということも珍しくありません。
看病でヘトヘトになっても子どもが回復したら、今度は溜まった仕事を片付けて、また保育園までダッシュで走り込む毎日です。
しかも、こんなに頑張っていても時短勤務を使用しているとお給料も減額。しかも昇給も対象外でした。
何度「私何のために働いているんだろう」と感じることも多かったです。
朝の準備や、帰宅後の家事などで自分の時間がない
子どもが風邪でない元気な日も、毎日の生活にゆとりは皆無です。
朝も私がいくら早起きしても、子どもの機嫌が悪く、朝食だけで1時間近くかかることもありました。お着替えさせようにも「イヤイヤ!!」と言って、服を脱いでくれないこともありました。
イヤイヤ期は地獄ですね。
保育園にお迎えに言っても「帰りに公園で遊びたい」から始まって、「家まで歩く!」と、自転車で5分の距離も徒歩で30分かけて歩いたこともありました。
帰宅してからも「お風呂行かない!!」、寝る時間になっても「まだ遊びたい。眠くない!!」と、いつどこでイヤイヤが始まるか分からない緊張感が常にあって、泣いている子どもの横で、「泣きたいのはこっちだよ!」と怒ってしまったこともあります。
多分、そのときの精神状態は異常だったと思います。
毎日の睡眠不足と、言うことを聞かない子どもへのストレスは凄まじかったです。
子どもを出産するまでは、自分の努力次第でどうにかなることが多かったし、希望通りにならないことがあっても、そこには理由があって納得することができましたが、子どもの要求は大人が理解できる範囲をあまりにも超えていて、とても辛かったです。
子どもがどんな要求をするかというと、長女の場合、保育園から自宅までの間に商店街があって、そこにパチンコ店があったんです。そのパチンコ店の前を通るたびに「中に入りたい。遊びたい」と泣いて叫ぶのです。
また、保育園でお迎えのタイミングがたまたま一緒になったクラスの子と「まだ一緒に遊びたい」「帰りたくない」と、保育園の玄関で靴を投げ捨てたりしていました。
あまりの暴れっぷりに、先生たちも「どうしたの?」「大丈夫?」と出てきて大変情けない気持ちになりました。
私の子育ての仕方が悪いんじゃないか。私が一人でカッツカツで子育てしているから子どもも神経質になったんじゃないか。コミュニケーションが足りていないんじゃないか。と、毎日落ち込むほど悩みました。
ただそうした状態も、長女が成長し、長男が産まれてきたころから次第に変わってきました。
共働きを乗り切るために必要な2つのこと
共働きを乗り切るために必要なことは2つのことに集約できます。
- 完璧をもとめない
- 愚痴を言い合える仲間を作る
突き詰めて思い返すと、たったこれだけだったと思います。
完璧をもとめない
完璧を求めないということは、共働き家庭にとってとても大事なことだと思います。
たとえば、テストでも85点まではちょっとの努力で取れたとします。でも、そこから95点、100点に持っていくためには沢山の努力が必要になります。
テストも国語、算数、理科、社会とあるように、働くママも、仕事、子育て、家事、自分のことなど沢山のことをやらなければいけません。
一つ一つで100点を目指すやり方よりも、総合力で考える必要があります。
そう考えると仕事をしている時点で、専業主婦のママと同じ子育て、同じ家事を目指すのは無理です。同じ水準を目指すには、自分の時間を削って、自分の睡眠を削ってやるしかありません。でも、そこを削り過ぎると精神的辛いです。
ママだって自分の時間は必要です。
とは言っても、仕事をしているママは真面目だと思うので「ちょっと手抜き」というのが苦手なママもいると思います。私も苦手でした。どうしても罪悪感が残ってしまって、「まあ、いいや」って思えなかったんですよね。
そんなときに取り入れたのが「失敗を笑ってみる」という方法です。
どういうことかというと、それまでは
子どもがオムツを洗濯機に入れてしまったときに、「あー。ちゃんと私が管理してみなきゃいけなかった・・・」と大きな反省と罪悪感があったのですが、失敗を笑えるようになると「ねぇねぇ長女ちゃん、ちょっと見てよ。長男くんが洗濯機にオムツいれちゃって洗濯物がすごいことになっているんだけど(笑)これ、一緒にベランダで叩いてくれない?」と、子どもたちといっしょに失敗を笑って共有できたり、
長男がイヤイヤしていると、「長女ちゃん、長男くん何回イヤイヤっていうか一緒に数えてみようか?」って長女と一緒に数を数えます。そうすると、長男も『なんだか楽しそう』となって、なぜか一緒に笑っていたりします。
実際、取り返しのつかない失敗ってほとんどないんですよね。その瞬間は「うわ!しまった!」ってなるけど、案外リカバリー出来ることも多いのです。
それは、仕事でも同じだなと思います。一時的に、出産後は仕事が出来ない人になってしまうけど、それで同僚の評価が大きく下がるわけではありません。それまで、ちゃんと努力していることを皆知っていますし、出来る範囲で努力していることも伝わっていると思います。
もしも、一時的に評価が下がったとしても、また挽回するチャンスはいくらでもあります。今の状態が延々に続く訳ではないので心配しないでください。
でもね、完璧を求めないって結構難しい。「もう少し頑張れそう」「もう少しやれば楽になれそう」と思ってしまうと、ついつい頑張りすぎてしまうこともあって、その後にくる疲労感に後悔してしまうことも多いです。
つい先日も、週末家族で動物園に行き、帰宅したのが15時半。30分休憩して16時から長女は宿題の残りを始め、長男と旦那は食料を買い物に。
私は長女の宿題を見ながら、夜子どもたちと遊べるようにと最近子どもたちがハマっている影遊びの型抜きを厚紙とカラーセロハンを使って制作。長女の宿題と私の作業が終了したのは18時半。
そこからお風呂に入り、夕食を食べ、気づいたときには20時。
私も子どもたちも、ヘトヘトで、もう影絵遊びをする体力もなく、21時過ぎには布団の中に入り数分もしないうちに夢の中へ。
週末しか子どもたちと思い切って遊べる時間がないと思うと、張り切りすぎることが多いんですよね。もっと、余裕をもって過ごせばいいのですが、スイッチ入っちゃうと突っ走る傾向にあります。
理想は2割ぐらい余裕を持って動きたいんですが、「子どもたちが喜ぶかも」と思うと時間を忘れてしまうこともあります。
そして、家事は後回し・・・
今は旦那さんもフォローしてくれるので、私が家事を疎かにしても我が家は回っていますが、以前だと私一人で全て片付けていたので、体調を崩してしまうことも多かったです。そのたびに「私はダメな母親だ」と落ち込んでいました。
でも無理なのは無理ですし。やらなきゃいけないこと、他に代わりがきくこと等が分かってくると、多少のことが出来ていなくても問題なく過ごせること気づき、精神的にも楽になりました。
出来ていなくても「手抜きだ」と自分を追い込むことは無くなりました。ときには「ま、いいか」と思うことも大切です。
愚痴を言い合える仲間を作る
女性の場合、どんなに嫌なことがあっても話しを聞いてもらえるだけでスッキリすることありますよね?
たとえ問題は解決しなくても、気持ちを共感してもらえたというだけで「また頑張ろう」と前向きに考えられることも多いと思います。
私の場合、長男が生まれる前は実家の母が唯一の愚痴を言える相手でした。母は定年までフルタイムで働いていたこともあって、先輩ワーママとして心強い存在でした。しかし、世代が離れてすぎていることもあって母のアドバイスに対してイライラしてしまうこともありました。
何でも良いあえる家族がいることはとても有り難いことですが、家族なだけに距離感が難しくなることもありました。
長男が産まれてからは、保育園のママや同じ産院で出産したママなどと子育てに関する悩みを共有するようになりました。そういった交流をするうちに、どのママも様々な悩みを抱えながら頑張っているということが肌で感じられるだけでも、私も頑張ろうという気持ちになれました。
一人だけで頑張っていると感じるよりも、皆も頑張っていると感じられる環境を得られたのはとても幸せなことだったと思います。
また、長女が3歳になり意思の疎通が上手くいくようになると、話し合いで物事を解決できるようになり、子育てに対するストレスは大きく軽減しました。
そして、それまで帰宅後に話し相手が出来たという意味でも長女の成長は大きかったと思います。
投げたボールを返してくれる相手がいるか、いないかの差はとてつもなく大きいです。
まとめ
共働きを続けるために必要なことって、実は体力と精神力だけだと思います。保育士のような特別な資格も、学校の先生のような専門的知識も必要ありません。
ただ毎日、子どもと向き合い、家事を片付け、仕事に行く。
ザックリ言うと、たったこれだけ。
でも、子育てって言葉で言うほど単純じゃなくて、子どもと言っても人を育てる訳です。しかも会社の新人研修とは違って、ゼロから1にして、こそから2や3まで持っていけるようにしなければいけません。
まだ子どもが小さいうちは、頑張っているのに上手くいかないと感じることも多く、とてつもない責任とプレッシャーを感じる日々です。
周りの子と自分の子を比べてしまうこともあると思います。
だからこそ「完璧をもとめない」「愚痴を言い合える仲間を作る」というのはとても大切なことで、何か困ったときに自分を助けてくれる人がいると思えるだけで、心にかかる負担は180度とはいかなくても、130度ぐらいは変わります。
それだけ、「母親である自分が何もかもしなくては」という気持ちから解放されることは大切で、何よりもありがたいのです。
それに完璧なママじゃなくても、子どもたちは「ママ大好き」と言ってくれます。私はその言葉のために頑張っているようなものなので、その言葉が聞けているということは、これでいいんだと感じています。
我が家は長女が小学生になり、長男ももうすぐ年少さんです。子育てをスタートさせて約7年半ようやく毎日の生活に余裕が出てきたことを実感しています。
この7年半は私一人が頑張ったのではなく、長女に支えられ、時には旦那にも支えられ、ママ友や保育園の先生たち、実家にも支えられてきたからこそ今日があると思っています。
ただこの道が正解ではなく、違う道もあったのかもしれないと感じることもあります。どの選択が正しいかったかの答えは、今分かるものではないし、一生分からないかもしれません。
でも私が歩んできた茨の道も、あなたにとっては緩やかな上り坂になって欲しいなと思っています。