東京都が認証保育園で24時間365日預けられるように制度を整備するというニュースを聞きました。2019年度の予算案に6000万で組み込む予定とのことです。夜間帯保育事業というようです。
24時間365日子供を預けられる保育園
と、聞いてアナタはどう思いますか?
目次
24時間365日子供を預けられる保育園は必要なの?
どんな人が24時間365日子供を預けられる保育園を必要とするのか、過去に出会った友人を例に考えて見ました。
シングルファーザーのTさん
私は、大学時代に夕方17時から23時まで飲食店でバイトをしていました。そこには、私と同じように大学に通っている子、専門学校に通っている子、フリーターの子など同じ年代だけど、おかれた環境も、働く理由も様々な人が一緒に働いていました。
そこでバイト仲間として一人の男性(Tさん)がいました。私より3歳ほど年上だったので、おそらく当時24歳ぐらい。
年齢も近く、私たちは住んでいる場所が一駅となりということもあって、バイト終わりが同じときは一緒に帰ったりと、他の仲間よりは接点が多かったように思います。
あまり口数が多いタイプの人ではありませんでしたが、仲が良くなって分かったことがありました。
なんと、Tさんには離婚歴があり幼稚園に通うお子さんを実家で一人で育てているということでした。
朝からはじまるお仕事をされていたこともあったそうですが、お給料を考えると夜働いた方が良いとのことで、今の仕事をしていると話していました。
Tさんがお仕事をしている間は、実家の両親が子供の世話をしているそうです。
あまり自分のことを話してくれるタイプではありまでしたが、子供の話をしているときのTさんはとても優しいお父さんの表情をしており、子供のことを愛しているんだろうなということが伝わってきました。
その後、私は就職活動もありバイトを辞めTさんとは会うことはなくなりましたが、今回このニュースを見て、Tさんのようなパパやママはきっと他にもいるんだろうなと、思い出しました。
サービス業界で働く人
そういえば、私は年に2回ほど帰省のために羽田空港を利用するのですが、羽田空港にも保育園があるって知っていますか?
東京都の認証保育園ですが最長23時まで預かってくれるようです。空港職員の子以外も受け入れているようですが、きっと空港職員の子供がメインなんだろうなと感じます。
航空会社や仕事内容によると思いますが、普通の認可保育園に預けていてはお迎えが間に合わないというケース多そうですよね。
企業主導型保育も、普通の認可保育園よりも長く延長保育が設けられていたり、夜間保育、日祝の休日保育もあったりします。また、1日4時間、5時間だったり、週3日など利用者のニーズに合わせた保育を行っている施設もあります。病児保育や一時預かりも行っている場合もあります。
ただ、企業主導型保育は質が十分でなかったり、定員割れが起こったりと様々な問題を抱えているようなので、まだまだ課題は多いかもしれません。
でも、24時間365日コンビニが空いている時代で、お正月も近所のスーパーが朝9時から開店している時代なので、それに合わせて子供を預かってくれる施設は必要なんだと思います。
サービス業以外でも病院に勤めているお医者さん、看護師さん、介護士さんだと夜勤もあると思います。
特に、土日祝日関係無しに働いている人って本当に多いと思います。パパがそういった会社に勤めている場合、ママは専業主婦というご家庭にならざるを得ないのが現状だと思います。
実は数年前に旦那が転職した会社も土日祝日関係なしの会社でした。私は土日祝日が休みの会社なので、連日の深夜までの残業と、あまりの休みの少なさに喧嘩になることもありました。
ほんとね「会社のために休み無く働くのが当然」という社風の会社だったようです。会社名は出しませんが、全国にお店があり、名前を出したらほとんどの人が「あー。知っているよ」というような会社です。
そういう状態で会社が成長してきた歴史があるし、社員も多い会社なので変革するのも難しいのかもしれませんが、まだまだそういう会社は沢山あるんだと思います。
24時間365日子供を預けられる保育園は、誰にとって必要なのか?
今年長女が小学生になって強く思うのは「保育園時代は恵まれていた」ということです。認可保育園でも朝7時から最大20時まで預かってくれますし、土曜保育も行ってくれています。保育園がお休みになるのは日曜祝日と、年末年始の数日だけです。
しかし、子供が小学生となると学童は普段は最大で19時まで。夏休みなど学校がお休みの日は朝8時から18時半までです。
たとえ、保育園時代に遅くまで預かってくれる保育園を確保できたとしても、子供が小学生となった瞬間から居場所がなくなってしまうのです。
近くに実家の両親が住んでいる場合は、そこで預かってくれるかもしれませんが、そうでない場合は、1時間700円でファミサポを利用するか、1時間1500円で民間のシッターさんをお願いするしかありません。
そういう生活を長期間続けることが、子供にとって良いことだとは思いません。たとえ、放課後一人でお留守番できるようになっても、長時間一人で留守番させると考えると心配ですよね。
そういうふうに考えると、結局は「24時間365日預かってくれる保育園」は大人のための施設なのかなと思います。
子供を安全に質の高い環境で保育するという目的をみると、子供のための施設ということになるのかもしれませんが、短期的には子供のためと言えるかもしれませんが、長期的に考えると子供のためになるとは思いません。
必要な施設だけど、一時保育と考えて利用して欲しいなと思います。いつまでも同じ環境で子育てができるわけではないので、小学校入学を想定して徐々に預けなくても生活していける環境の構築を目指して欲しいです。
私の母親は小学校の教員で、母の実家が自宅から近かったこともあって、私は母と過ごすより祖母と過ごした時間の方が長かったです。祖母は昨年91歳という年齢で亡くなってしまいましたが、今でも私を育ててくれたのは祖母だと思うことがあります。実家より祖母宅の方が安心するんですよね。
母は社会人として、教師として尊敬しています。でも、もっと親子らしい会話をしてみたかったし、もっと本音をぶつけ合いたかったです。
子供としても母が仕事で忙しいのは分かっていたので、無意識に気を使うんですよね。寂しかったとしても「大丈夫。寂しくないよ」って言うんですよね。というか、寂しいのが普通になっているから、何が寂しいのかさえ子供の頃は分からないのです。
それを「子供が寂しくないって言っているから大丈夫だわ」って思ってほしくはないです。ただ言葉に出来ないだけで、寂しくないはずないですよね。
仕事と子育てバランスって難しいと思います。
なぜなら、私は母に仕事を辞めて欲しいと思ったことは1度もありません。仕事をしている母はカッコ良かったし、自慢でした。
ただ、もう少し一緒の時間を作りたかった。もう少し悩みを相談したかった。という気持ちがあるだけです。
まとめ
私を育ててくれたのは祖母だと思うことがあると言いましたが、祖母は祖母であって、母親ではありません。母親の代わりと思ったことは1度もなくて、母親がしてくれないことを祖母がしてくれたという意味で、ちょっと言葉にするのは難しいですが、母親は母親一人だけです。
祖母からしたら私は孫であって、とても近い存在だったため、毎日面倒を見てくれ、私も自分の家のように祖母宅で過ごしていましたが、保育園が子供たちにとって自宅感覚で過ごせるようになるとは思えません。
24時間365日子供を預けられる保育園は、確かに必要だと思います。この施設ができることで、今まで仕事をセーブせざるを得なかった人たちが、働けるきっかけになると思います。
しかし、小1の壁、小4の壁という言葉があるように、保育園時代だけをサポートしても結局は問題を先延ばしにしているに過ぎないと思います。
2歳児までしか通えない乳児保育室を増やして、3歳児以降の認可保育園枠が増えないために、3歳児枠の転園希望者の倍率が増加している現象と同じことになる気がして心配です。
もし、24時間365日子供を預けられる保育園を作るとしたら、そこに通う子供の両親が将来的にはワークライフバランスを見直し、子供との過ごし方や家族のあり方を考えられるようなサポートも行ってほしいなと思います。